SAP on Azureとは!? 概要や導入メリットを解説

SAPの基盤としてクラウドプラットフォームを活用した事例が増えています。
選択肢の最有力候補としてはAzure(Microsoft Azure)とAWS(Amazon Web Services)であり、両プラットフォームともに強力な運用サービス・ソリューションが提供されています。

前回の記事ではAWSについて解説しましたが、本記事では、Azureに焦点を当て、SAP on Azureの概要や導入メリットを解説していきます。

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目次

SAP on Azureとは

可用性、パフォーマンスの観点で基幹システムにパブリッククラウドはそぐわないと考えられていましたが、近年ではその問題もクリアされつつあり、クラウド導入に舵を切る企業が増えています。

Microsoft社は多額の投資を実施し、SAP on Azure(SAPをAzure上で稼働させること)のサービスの拡充を進めています。
2017年頃は大容量なメモリを必要とするSAP HANAを構築する場合、約500GBのインスタンスのみが仮想マシンとして提供されており、それ以上のメモリが必要となる場合はSAP HANAに最適化された専用のベアメタルサーバであるSAP HANA on Azure(Large Instances)しか選択肢がありませんでした。

現在ではSAP Business Suiteをはじめ、SAP S/4HANA、SAP BW/4HANA、SAP Cloud Platformなどのソリューションが提供されるとともに、1台の仮想マシンで12TBまでスケールアップ可能となっており、オンプレミス環境と同等以上の可用性、パフォーマンスを満たした構成を短期間で導入できるようになっています。

SAP on Azureが登場した背景

SAP社とMicrosoft社は1993年からパートナーとしての関係を構築しています。
これは単にビジネスパートナーとしてお互いの製品の共同開発を実施しているだけではなく、カスタマーとしてお互いの製品へフィードバックすることで、品質や性能を向上させてきました。
 ・Microsoft社でSAPを利用するユーザーは110,000人
 ・SAP社でMicrosoftを利用するユーザーは84,000人

また、SAPとMicrosoftは共にエンタープライズ向けに強く、Fortune500の85%がSAPを、90%がAzureを利用しています。
つまり、両方を利用している企業も多いと考えられるため、SAP on Azureのメリットを享受できる企業が多くなります。

2020年発表時点でのクラウドシェア率はAWSがAzureを圧倒していますが、Azureは高い成長率を維持しシェアを拡大しているため、今後はSAP on Azureの案件が増えてくることが予想されます。

SAP on Azure導入のメリット

SAP on Azureの導入メリットは大きく分けると以下の3点が挙げられます。
それでは、SAP on Azureの導入メリットについて1つずつ詳しく解説していきます。

TCO削減が見込める

SAP on Azureでは以下のようにTCO削減を実現することができます。

 1. 初期投資費用

オンプレミス環境で必要となるサーバ調達やネットワーク整備といった初期投資費用を抑えることができます。

 2. ランニングコスト

オンプレミス環境の場合、少しリソースを拡張をしたいだけでも、サーバ調達から始めなければならず、思いがけずコストがかかったということ、不要となったリソースを削減したにも関わらず、コスト削減は微々たるものといったことが往々にしてあります。
一方、Azureでは必要な分だけリソースを拡張・縮小する、未使用時間帯はインスタンスを停止するなど実施することで、最適なランニングコストでの運用が可能となります。

 3. 長期利用時のオプション

Azure Reserved Virtual Machine Instancesは、1年間または3年間インスタンスを予約することで、最大約80%まで割引を受けることができます。
ただし、割引適用範囲などが複雑なため、詳細な料金計算はMicrosoft社の各ドキュメントで確認してください。
また、途中でのインスタンスタイプ変更や解約(解約手数料あり)も可能です。

 4. ソフトウェアライセンス

Azureではオンプレミス環境で保有しているライセンスを持ち込むことが可能です。
特に、Windows ServerやSQL ServerなどのMicrosoft製品に関してはAWSよりも割安になるケースがあります。

バックアップを強化できる

SAPのような基幹システムではバックアップや災害対策(DR)といった事業継続計画(BCP)は必須の対応事項となります

AzureではバックアップやDRを行う機能が標準搭載されています。
Azure Backupサービスを利用することで、SAP HANAも容易にバックアップ・リストアする仕組みを構築できます。
また、AzureのSLAは単一インスタンスの場合は99.9%であり、これは1ヶ月に約43.8分間停止する可能性があります。
Azureでは可用性を高めるために、可用性セット(同一ゾーン(DC)内で可用性を担保する仕組み)可用性ゾーン(同一リージョン内で可用性を担保する仕組み)があり、さらに東日本と西日本というリージョン跨ぎのDR構成を構築できます。

SAPとMicrosoft Azureサービス連携できる

あらゆる企業においてデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速が必要な時代となっています。
AzureではIoT、AI、ビッグデータ分析といった先端サービスをさまざま提供しています。
これらのサービスを組み合わせることで、データの一貫性、正確さに優れたSAPの特徴を担保しながら、最新技術を利用しデータに基づいての意思決定、つまりデータドリブン経営を推進することができます。

Microsoft社がAzureとAWSのサービスを比較したドキュメントを公開していますので、今後利用したいサービスがある場合は、AzureとAWSを対比しながら検討することができます。

SAPのクラウド移行はグランパスコンサルティングにご相談ください

最終的にクラウドに移行するかどうかに関わらず、現状の把握と今後を見据えたアセスメントは必要となります。

各社が提供するクラウドプラットフォームの比較や仮にAzureを選択した場合でも多種多様なサービスの中からどれを選択することが最適なのか、こういった点をユーザ側でアセスメントするには限界があります。
ユーザ側でアセスメントできたとしても、アセスメントが長期化し、実装に移る頃には世代遅れになっていることでしょう。

そのため、クラウド移行に関しては経験豊富なパートナー企業への支援を求めることが得策となります。
グランパスコンサルティングではアセスメントから実装まで一気通貫で企業のクラウド移行をご支援しますので、是非弊社のサービスをご活用ください。

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