SAP Note適用を依頼する前に確認すべきこと5選

下記の記事でSAP Noteとは何なのか、SAP Noteの適用方法や適用状況確認方法について解説しました。

本記事では、アプリケーション担当がSAP Note適用を依頼する前に確認すべき5つの事項について解説していきます。

また、SAP Note適用前にSAP OSSに問い合わせする場面も多いと思いますので、こちらの記事も合わせてご確認ください。

目次

SAP Note適用を依頼する前に確認すべきこと5選

SAP Support PortalでSAP Noteを発見し、いきなりSAP Basis担当にSAP Note適用を依頼するのはあまりにも早計です。
アプリケーション担当はSAP Note適用を依頼する前にSAP Noteの影響をきちんと確認する必要があります。

アプリケーション担当が事前に下記の5つの事項を確認しておくことで、無駄なSAP Noteの適用依頼が減るだけでなく、システムが壊れるリスクも減るため、面倒臭いと思わずにきちんとした確認手順を踏みましょう!

【その1】適用可否の確認

まずは、SAP Noteに記載されているソフトウェアコンポーネント(Software Components)を確認します。

適用対象システムのコンポーネントとバージョン(SPまで)を確認し、適用対象のSAP Noteの適用可否を判断します。
適用対象のシステムが適用対象のSAP Noteよりバージョンが高い場合、そのSAP Noteの修正内容は反映されている、もしくはそのSAP Noteの事象は発生しないため、別のSAP Noteを調査します。

【その2】修正内容の確認

次に、SAP Noteに記載されている修正指示(Correction Instructions)を確認します。
修正指示とは、SAP Noteを適用した場合にソースコードをどのように変更するのかという修正内容をまとめたものです。

このSTEPはプログラムのソースコードを読める方は実施した方が望ましく、必須のSTEPではありません。 
ある程度、問題の原因をきちんと把握・分析できていれば、どういう対策が必要なのかイメージできるかと思います。
修正指示の修正内容を確認し、想像していた修正内容と大きく異なる場合はそのSAP Noteを適用しても問題が改善しない可能性が高いため、別のSAP Noteを調査します。

【その3】前提Noteの確認

次に、SAP Noteに記載されている前提条件(Prerequisites)を確認します。

適用対象のSAP Noteに前提条件(以後、前提Noteと呼びます)が存在する場合、前提Noteが適用されているか確認します。
前提Noteが未適用の場合は適用対象のSAP Noteだけでなく、前提Noteの適用も必要となるため、注意が必要となります。

前提Noteが多数紐付いているSAP Noteは影響が大きい可能性があるため、切り戻しを想定し、システムのバックアップを事前に取得しておくことをオススメします。

【その4】マニュアルアクティビティの確認

次に、SAP Noteに記載されているマニュアルアクティビティ(Manual Activities)を確認します。

SAP Note適用作業はトランザクションコード:SNOTEで完結しますが、中にはそれだけでは対応できない場合があります。
それはマニュアルアクティビティが存在するSAP Noteの場合であり、その場合はSAP Note適用者自身がSAP Noteの指示に従い、マニュアルで変更作業を実施する必要があるため、注意が必要となります。

【その5】リセット可否の確認

最後に、SAP Note適用後にリセット可能かどうか確認します。

SAP Note適用後に検証した結果、問題が解決しなかったということはよくあります。
その場合はSAP Note適用をリセットし、元の未適用の状態に戻す必要があるため、SAP Noteのリセット可否を確認します。

SAP Noteにはリセット可能かどうか直接記載されていないため、マニュアルアクティビティがあるかで判断します。
特に注意が必要なものにSAP Note適用後にマニュアルアクティビティとしてプログラムを実行させるパターンです。
プログラムを実行すると、オブジェクトが大量に生成されるケースがあるのですが、このパターンはSAP Noteのリセットでは元の状態に戻すことができないため、注意が必要となります。

SAP Noteのリセットが不可の場合は切り戻しを想定し、システムのバックアップを事前に取得しておきましょう。

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